1人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
ひとりごと
わたしには、どうしても忘れられない人がいる。
人、と言っていいのかわからないけれど。
彼女とはもう長い付き合いで、かれこれ、十年くらい。
彼女は、古参中の古参の人。
わたしが昔に考えた、
物語の、主人公。
ふとしたときに、
彼女のことを考えて、
たくさんの登場人物を考えて、
彼女の物語を考えた。
辛いときも、悲しいときも、彼女のことを考えると、前を向ける気がした。
彼女のことを想像して、彼女をつくっていった。
つくっていったのは、わたしなのだけれど、でも、彼女は始めからそんな人だったような気がしている。
彼女の物語は頓挫した。
でも、わたしは彼女のことを今だって考えている。
彼女はたしかに、わたしと共にいる。
だから。
だから。
忘れられない彼女への想いを、
綴りたい。
最初のコメントを投稿しよう!