ひとりごと

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ひとりごと

わたしには、どうしても忘れられない人がいる。 人、と言っていいのかわからないけれど。 彼女とはもう長い付き合いで、かれこれ、十年くらい。 彼女は、古参中の古参の人。 わたしが昔に考えた、 物語の、主人公。 ふとしたときに、 彼女のことを考えて、 たくさんの登場人物を考えて、 彼女の物語を考えた。 辛いときも、悲しいときも、彼女のことを考えると、前を向ける気がした。 彼女のことを想像して、彼女をつくっていった。 つくっていったのは、わたしなのだけれど、でも、彼女は始めからそんな人だったような気がしている。 彼女の物語は頓挫した。 でも、わたしは彼女のことを今だって考えている。 彼女はたしかに、わたしと共にいる。 だから。 だから。 忘れられない彼女への想いを、 綴りたい。
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