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「美味しいな坊主」
「ーっ、坊主僕が男の子ってなんで分かったの」
ビックリと肩が揺れる、だって僕の肩をがっしりと掴んでいるんだもん、それにこの人どっかでみーっ。
「坊主、逃げるなよサイキは知っているのか……嫌、知っているはずないよな、許すはずないもんなぁ」
うっ、サイキ様が知るはずない。
だって、僕はサイキ様のお姿を少しだけ遠目でしか見たことがないもの。
サイキ様にとったら、僕は何人もいる内の一人でしかない。
所詮僕は使い捨ての駒、いらない存在。
いくらアイシャが僕をいる存在だと言っていても、アイシャだって所詮はサイキ様の命に従う。
僕を主人と呼ぶけれど、それは今だけ。
今だけのこと、要らなくなったら始末されるだけ、だから自分自身を守らないと。
僕の目的のために、、、聞いてみたいんだ。
「お願いーっ内緒にしてっ」
「お前自分自身のこと分かってんのか、お前は」
「大丈夫だよっ、僕が居なくなっても他の子がいるでしょう、だから僕の事は見なかったことにしてよっ」
にっこりと僕は誓言する、呆気にとられた様な顔をしているけど僕はお構い無しにお客さんを呼び込む。
「ウサギさんの好物キャロットパンや肉食系の方に玉ねぎパン、僕みたいな小さな子も大好きなカボチャパン、甘いメロンパンが似合うおねーさん買って」
ぎゅっと僕は籠を握りしめて、にっこりと飛びっきりの笑顔でメロンパンを差し出す。
あっちゃんと衛生的な手袋をして手渡すんだからね。
30分くらい営業をして行列が出来た頃にお店に入る。
お店に入り袋詰めを手伝い、焼きたてパン専用のレジ横の台に焼きたてパンを出す。
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