あの日

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 すると、客の一人が読んでいた本を閉じ、素早く目の前の本棚に仕舞った。それを皮切りに周囲の皆も次々と本を仕舞い、足早に別の場所へ去っていく。  いよいよ身の危険を感じ、私も同じ様にしてその場を離れた。  移動した先の場所でも相変わらず客達は同じ方向を見続けている。私は整然と立ち並ぶ本棚の影から、こっそりとそちらを覗き見た。
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