母さんの言葉

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 あれから、十数年の時が経った……。  僕は、とあるアパートの前にいた。そこに、母さんがいるはずだから。  色々あったけど、離ればなれになってしまったけど、なんとか見つけ出した。  きっとまた、一緒にいられるはずだから……。  ドアが開き、階段を降りてくる足音が聞こえる。  ちょっとしたサプライズ。降りた先で出迎える。  そして母さんが僕の顔を見たとき、持っていたバッグを落としてしまった。よほど驚いたらしい。  久しぶりに見る母さんは、少し老けていたけど、あの頃のままだった。 「……なんで、あなたが……?」  そんなことを聞いてきた母さん。  ……そんなの、きまっているじゃないか。 「――……母さんが、一番大切なんだよ」  だから……――。 「……僕以外、いらないよね」  
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