0人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
あれから、十数年の時が経った……。
僕は、とあるアパートの前にいた。そこに、母さんがいるはずだから。
色々あったけど、離ればなれになってしまったけど、なんとか見つけ出した。
きっとまた、一緒にいられるはずだから……。
ドアが開き、階段を降りてくる足音が聞こえる。
ちょっとしたサプライズ。降りた先で出迎える。
そして母さんが僕の顔を見たとき、持っていたバッグを落としてしまった。よほど驚いたらしい。
久しぶりに見る母さんは、少し老けていたけど、あの頃のままだった。
「……なんで、あなたが……?」
そんなことを聞いてきた母さん。
……そんなの、きまっているじゃないか。
「――……母さんが、一番大切なんだよ」
だから……――。
「……僕以外、いらないよね」
最初のコメントを投稿しよう!