プロローグ

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 桜舞う入学式、僕は運命とも呼ばれる出逢いをした。  僕の瞳はその一瞬を捉えるためだけに存在し、僕の脳はその姿は保存するためだけに存在していた。  桜吹雪の中、ピンクに埋め尽くされた世界でキミはそのピンクに決して負けない存在感を放っていて、僕の心は奪われてしまった。  その全身を貫かれるような衝撃など感じる暇もなく、僕はその一瞬に全力でキミに恋をした。  僕の中に確かに春を運んでくれた、ピンクのキミを、僕は今でも忘れない。
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