プロローグ

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 大きな声ではなかった。でも、キミに届いて欲しいと絞った声。  今までで一番、カッコ悪くて、今までで一番心を込めた告白をできたと思う。 「ふふっ、ふふふふふふふふふふふっふふふふふふふふっふふふふふふ」  僕は突然笑いだした彼女の反応に少し戸惑っていると、彼女は顔を上げ、 「ありがとう。私もあなたのことが好きです。こんな私で良ければ、末永くよろしくお願いします」  僕の彼女は美しい涙を頬に伝わせながら、はにかむように僕に笑いかけた。  その時、強い風が吹いた。  彼女のスカートがめくれ、ピンクのパンツが見える。彼女はスカートを必死に押さえる。 「素晴らしいパンチラでした」  彼女は笑顔を一変、少し睨み付けるようにしてから、 「まったく、こっちの苦労も知らないで」 「え?どういう意味?」  僕の質問を無視し彼女は歩き出し、 「ほら、帰りましょ」  スカートをはためかせた淡い淡いピンクのキミは僕に手を差し出した。
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