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朝から見るこの光景も、今となっては慣れつつあるが…本来自分はこういったことは向いていないと思う。
制服の身だしなみ。
髪。
ピアスやアクセ類。
毎度毎度、校則違反していないかを校門のところでチェックしないといけないなんて。
しかも、俺が居るだけでほとんどの生徒が怯えた顔をする。
勿論俺も歴きとした一生徒だ。
『椎名 冬季』。いつのまにか鬼の風紀委員長と言われるようになっていた。
まあ、風紀委員長になったからには厳しくしようと思って居るので特になんとも思わないけどな…
「……おい、佐野」
「はい、委員長」
「奴らはまだ来ないのか。」
「まだ来てませんね。」
この俺が毎日ここに居るのは一人、毎日のように遅れてくる奴が居るから。
そしてもう一人、必ず毎朝女を泣かせた奴がギリギリでやってくるからだ。
と、思って居ると校門から何者かの影がかかる。
「…………鷹倉」
「…あぁ、委員長。」
「お前な。今何時だと思ってるんだ。もうすぐ予鈴が鳴る3分前………って、また泣かせてきたのか…」
前半怒り気味だったのが、後からやって来た女子生徒を見て呆れた顔になる。
勿論その子は泣いている。
「勝手に告白して来て勝手に泣いてるだけだから…別に俺のせいじゃないし。」
なんとも澄ました顔でいけしゃあしゃあと言うコイツに、毎度ながらどうしてこんなにモテるのかと疑問に思う。
「お前な…!…はぁ、もういい。さっさと行け。あと一人クズを回収しないといけないんだからな。」
嫌味たっぷりに言うと、鷹倉は何も言わずにそのままスタスタ行ってしまった。
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