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「……流石、氷の貴公子ですね。冷めてる。」
俺の横にいる風紀委員である『佐野 渉』は一個下の1年。一応俺の補佐で色々手伝って貰ってるが、俺より少し身長高めなのが恨めしい。
「というか、その氷の貴公子ってお前ら1年の間でも言われてるのか…」
「まあ…。全学年で人気ですから、鷹倉先輩は。…あ、でも俺は委員長の方が素敵だと思います。」
「…は?あ、ああ…ありがとう…」
コイツはたまに当たり前のようにこういう事を言うから反応に困る。しかも表情をあまり変えないせいもあって。
「やばいやばいやばい!!遅刻ー!」
「…やっときたか…」
「とーーーっりゃっ!ギリセー…いだっ!」
「何がギリセーフだ。ああ?近衛(このえ)てめぇもう予鈴鳴るんだよああ?」
「いたい!いたいよ、ふゆきっ!」
この無駄にテンション高い長身ワンコみたいな男は同じ2年だ。バスケ部次期キャプテンでこいつもまあまあモテる。から面倒だ。それでこいつの名前が、
『近衛 龍』
「毎回毎回毎朝言ってるよな?遅刻厳禁だって。お前の耳は飾りか?飾りなのかああ?!」
「ひいっ。…だって、起きれないんだもんしょーがないじゃん!」
「開き直るなバカ。…ったく、次遅刻したら校外20周。」
「…えっ、やだこの子キャプテンより鬼…」
「…佐野。しっかりメモしておけ。」
「はい。近衛先輩は次遅刻したら校外20周……と。」
そして俺は近衛を引きずって校内に入った。教室は違うので、奴の教室に放り投げてから自分の教室に入る。
因みに、風紀委員で朝当番は多少予鈴が鳴って遅れても問題ない事になっている。
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