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この学校では3年が受験対策として何かしら役員についてる人達は学年が変わり次第次の代にすぐ替わる決まりになっている。
そして3年は引退。あ、部活動とかは違うぞ。
生徒会や風紀委員、あと他の委員会のみ。
なので、2年が始まってすぐ俺は風紀委員長になった……というよりさせられたんだがな……。
「おーい。冬季?どうした?」
「…何が」
「顰めっ面が更に顰めっ面になってるぞ?」
「………嫌な事を思い出してただけだ。」
ひょっこりと顔をのぞき込んできたこの男は、保育園からの幼馴染みである『仄衣(ほのぎ) 要』。
顔も整っているためコイツもモテる。
「それにしても、もう有名になってるぞー?」
「何の話だ?」
「朝、また鷹倉が告ってきた女を振って泣かせたって。」
「……ああ…」
朝のアレか…。にしても、本当そういう話好きだよな皆んな。
まったく分からん。
「それなら朝見たぞ。泣きながら女子が学校にやってきたの。」
「げっ。マジ?うわー……じゃあ少し荒れるかなー…」
要が心底面倒そうな顔をするので、ジッと見続けると「?」と首を傾げられた。
「いや。俺が聞いてんだよ。」
「痛い痛い!冬季の馬鹿力!」
頭を鷲掴みにして思いっきり力を込めると、要が半泣きになりそうなったので止める。
「はー…マジお前のその腕力シャレになんねぇ……」
「煩い。それより、お前がそんな面倒そうにするなんて珍しいじゃないか。」
「……何々。俺の事心配してくれてんの?」
何で肩を組みながらニヤニヤしてんだコイツは。俺はただ珍しいなと言っただけだぞ。
「日本語通じてんのかお前。」
「…ははっ。ごめんごめん。」
ちょっと間が空いてからの、から笑い。
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