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「いやさ、噂がね、少し大きくなってんのよ。
その告白した女子が隣町の不良高校の2年チームトップの彼女で、鷹倉がその子を遊んでポイ捨てしたって。
そんで近々その彼氏が軍団引き連れて乗り込みを企んでるってさ。」
……は?
「さっきの今でここまで噂になってんだぜ?鷹倉に告った女子もまあまあ可愛いから、彼氏君からするとそんな可愛い彼女を弄んだとされる鷹倉が許せんのでしょーなー。」
「…そんな根も葉もない話信じるのかお前。」
「いや?…でも、用心に越したことは無いだろ?」
…まあ、そうだが。コイツはなんでこういった話には敏感というか、聞きつけるのが早いんだろうな。
そんで、一番に俺の所に言いに来る。
俺が風紀委員長だからっていうのもあるかもしれないけど。
「ま、なので冬季くんも十分気を付けなさいよー?」
「子供扱いするな」
頭をぐわんぐわん揺らされたので、思いっきり跳ね除けてやった。
****
お昼放課。
自販機に向かおうとした椎名は、あるところで目線が止まった。
東校舎への渡り廊下階段。座り込む男子生徒が2人。そして、薄っすらと登る煙のようなもの。
「………ほぉ。俺が居るにも関わらず止める気配が無いとは、中々度胸があるじゃないかお前ら。」
「…!?!?げっ!風紀委員長!」
「椎名!!?」
「それは何だ?あ?」
「い、いやコレは-…白い棒のお菓子デス…」
「決して悪いものじゃ…」
「言い訳は聞かん!さっさとこい!」
そして2人をガシッと掴んで、とある場所へと向かう椎名。勿論、粛清のため。
「タバコなんてもの、校則違反以前に法律違反だ馬鹿共!安心しろ。今回は俺自らお前らに罰をくれてやる。」
「いっ、嫌だー!その笑顔が怖い!」
「巳城も嫌だけど、委員長ももっと嫌だ!!誰かおたすけー!」
ピシャンッ
2人のヘルプ虚しく、無情にも閉められた部屋の扉。
その部屋の扉の名前には『拷問部屋』…と書かれていた。
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