1話

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「…分かった。報告ありがとう、佐野。お前ももう帰れ。」 「なら委員長と一緒に帰ります。」 「俺はまだやる事あるから。家帰って勉強でもしてろ。」 「……分かりました。お先です」 「ああ」 渋々、帰っていった佐野。なんやかんや懐いてくれてるのか、佐野は他の奴に比べて色々手伝ったりしてくれる。 要は気にくわないとか言ってたけど。 ー1時間後ー 「ふー…」 取り敢えず、これくらいまとめれば来週の委員集会には間に合うな。 ったく。こんな時間までこんな事しないといけないのは絶対アイツのせいだ。 全体のトップのくせに。 時間も時間なので、俺は先生に鍵を返して学校を出た。そう言えば、ノートが切れたんだった…と思い出し、デパートとかが近くにある駅で降りて目的地に向かう。 その途中、今日の集まりでの報告とかを思い返したりする訳なんだが…。 今一番の不安というか、悩みの種はあの鷹倉なんだよな…。 実を言うと、かなり面倒。 鷹倉の人気は結構大きくて、全学年問わずだ。女子からは好気の目で見られ、男子からはそのカリスマ性(?)からか憧れを抱く者や慕うものが多い。 ほら。男子はよくああゆう、クールでカッコよくて何でも出来て飾らないようなのに憧れたりすんだろ?知らんが。 実際、鷹倉はあんなに告白されるくせに全く女子と付き合う気配が無い。本当に興味ないみたいに。鬱陶しく感じてる様さえ見て取れる。 そんな事もお構い無しに次々と告白する女子と、鷹倉をそんな女子達から守る為に出る男子共が対立するんだ。 これがかなり問題視されている現状。五月蝿くなるので。 勿論男子の中には勝手に妬む奴も居るが… まあ、そんな事も本人が全く気にしてないというか眼中にない感じで止めないせいで、いつも風紀である俺が収拾してるのだ。 .
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