僕が精一杯叫ぶ嘘は、死んでも君に届かない

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「何で……あんな急に……。信じられないよ。……お願い。お願いだから……。……帰ってきてよ……」 彼女の弱々しい声が、嘘だらけの僕の胸を(きし)ませる。 「……事故なんて……信じらんないよ……。……ねぇ……帰ってきて……お願いだから……」 帰ってきてと、もう何日も懇願し続ける彼女の痩せた身体。 本当は、今すぐにでも抱き締めたくて堪らないのに。 彼女には、僕の姿すら見えていない。
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