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それにしても寒ぃぜ マジで。 ブーツん中の爪先も冷たくなってきたし。 一回 家に戻ろうかなぁ... とか思ってたら 泰河の車が こっちに走って来るのが見えた。 『よう』って感じで ハンドルから右手をあげたので、あげ返して助手席に乗り込む。 「ああーっ もう、すげぇ寒ぃぜ今日!」 ドア閉めながら言ったら、泰河が 「マイナス2度だしな」と 車を出しながら 「おまえ、戸建てに住んでんのかよ?」って聞く。 「じいちゃんの家、もらったんだよ。 水回り以外は自分でリフォームしてさぁ」 「へえ... いいよなぁ。 オレも中古住宅とか探そうかな」と ひとり、コンビニのホットコーヒーを啜った。 「オレの分とかさぁ、ないよな やっぱり」 「あっ、悪ぃ。そこのコンビニ寄るわ。 どうせ張り込むことになるし、食うもんも買っとこうぜ」 「張り込む?」 そういえば、仕事内容 まだ よく聞いてない。 内容も聞いてないけど なんか今日、泰河が おとなしい気がする。 「ああ、沙耶ちゃんに相談がきたんだけどな」と 泰河はコンビニの駐車場に車を停めた。 沙耶さん、というのは 泰河や朋樹の知り合いで、ひとりで喫茶店をやってる。 飯もうまいけど、コーヒーが すげぇうまい。 霊視が出来る人で、店で占いもやってるんだけど それ以外の祓い系の仕事を、泰河や朋樹に 今は オレにも回してくれる。 可憐で かわいらしい感じの人で 27のオレらより、ちょっと年上らしい。 見た目は 23とか 24くらいにしか見えないけど 言われてみれば面倒見いいし、雰囲気も落ち着いてるしな。
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