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パトカーのサイレンの音が近づいて来た。 「話をまとめると」と、刑事さんは また オレらを じっと見た。 「狼の毛皮を被った男が、女の人を襲っていて そこに 別の野犬がきた。 女の人は逃げ、男が野犬に襲われて怪我をし 君たちが通報。野犬は逃げた、と」 うまいなぁ。狼男要素 消すの。 「でも、これ被ったら また変身するかもしれませんよ」 泰河が また毛皮を差し出すと 刑事さんは、煙たそうな眼を毛皮に向けた。 なんか鼻しっかりしてんなぁ、この人。 「呪物だと思います。 十字架と祈りが効きました。素人でも」 オレも付け加えると、刑事さんは 「ジュブツ?」と聞き返してる。 「呪いがかけられてるみたいですね。魔術かな? 被ると、毛皮が 一体化して狼に... 」 「いや なるほど。それは、君たちのだね。 よく思い出してごらん」 うわっ、投げたぜ。 毛皮は証拠品とかじゃないのかよ? 沙耶さんから、オレらが 祓い屋(そーいうの)やってる って聞いてるんだろうけどさぁ。 パトカーが近くに止まって、制服の警察の人が 二人 降りて来る。 別のパトカーの音も近づいてきた。 刑事さんは、そっちに眼をやって 「じゃあ、君たち。話してくれてありがとう。 また何か聞くかもしれないけど、もう帰っていいよ。面倒だから今すぐに帰りなさい」と オレらを さっさと追い払った。
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