プロローグ 1

2/2
前へ
/54ページ
次へ
「くそ!    あのくそビッチ女!」 雨が降っているなか、ある長身の切れ目できれいな黒髪の男が、繁華街の路地裏の壁を叩いていた。 「はぁ~」 まずは、落ち着くんだ俺。 あの女のせいで、組の奴が怪我をした。 今日はとりあえず家に帰ろう。 そして、明日本家で書類の整理とかするか。 ふと、ゴミ箱の横に目を落とす。  (なんだこのガキ) ん?まて、まさか! 男はゴミ箱の横に死んだように座っている、少年の額に手を当てた。 「チッ、熱があるじゃねーか。」 (どうする、俺。     連れて帰るか) 「お前一人なのか?」 少年は、弱々しく頷いた。 「一緒に来るか?」 すると、少年は手を伸ばしてくる。 それを、俺は握った。
/54ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23人が本棚に入れています
本棚に追加