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私の鍛練内容を話せばロクムは驚いたり笑ったり感心したように興味津々で聞いてきたりと様々な反応を見せた。案外、感情豊かなのね。…デカい図体と半目とのギャップよ。(…はっ!これがギャップ男子か!…萌え、る?)
そんなロクムとの会話の中で知った事は、ロクムの家は伯爵の位で代々武に秀でた者が多くロクムも武に長けていて屋敷に込もって鍛練ばかりしているんだと。まぁ、男の子だしね。強くなりたいわよね。(そんな ろっ君は剣術が得意なんですって。…羨ましい。ちなみに魔力持ちで属性は雷のサンダーボーイです。)
そんで畏まった話し方が苦手なロクムは何度かお茶会に出るも余り喋らないようにしていたら…図体のデカさと相まって怖がられてしまい周りに距離を置かれてぼっちになっていたと。(…どんまい、としか言いようがない。)
それに眠たげな目も見方によっては半目で睨んでるように見えなくもないしね。(なので私が初友!私もろっ君が初友!…それを伝えたらなんだか嬉しそうにしてたわ。あと、同い年だった。)
そんなこんなで話しをして、ロクムが双子の妹が居ると口にした所で…
「━━俺は双子で妹が…あッ………。」
何かを思い出した様に言葉を止めた。…ん?どしたん?私が黙ってしまったロクムに、どうしたのかと声をかければ…
「…妹とはぐれて、探してる途中だった。」
ロクムはそう答えて、しまったという様な顔した。…あら、そうだったの?…ん?探す?…何か忘れてるような………あっ!
ロクムから妹を探していると聞いた私もある事を思い出し
「…私も、兄様を探してるんだった。」
ポツリと呟いた。
「……………。」
「……………。」
今日、初めて会った時のように無言で見つめ合う半目と猫目。…やべぇ、ガチで忘れてた。ほんといい加減、兄様を探さなきゃだわ。…ロクムも妹を探しに行かなきゃだし、そろそろお開きにしなくては。
お互い兄と妹を探す為に解散しようかと、私がロクムに声をかけようとしたら…
「━━ティー、やっと見つけた。」
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