私もあの子もこの子も

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自分の口から出たアホみたいな発言に周りの視線が痛い。(…特に兄様) ━ッとにかくこの状況をどうにかせねば!と、私のほざいたセリフに驚いた表情でこちらを見ているマシュマロへ口を開く。(今度はちゃんと落ち着いて…ヒッ、ヒッ、フー……よしっ!) 「…急に変な事を言ってごめんなさい。お茶ではなくて、睨んでないって言いたかったの。マシュマロ様があまりにも可愛らしい方だったから…つい見惚れていただけなの。怖がらせるつもりはなかったのよ…でも、怯えさせてしまったわよね?本当にごめんなさい。」 またやらかさない様にと、焦る気持ちを沈めアホ発言と睨んだ訳ではないけど怖がらせてしまった事をシュンとしつつ頭を下げて謝罪すると… 「…睨む?怖がる?…あ、違っ……違うんです!そうじゃないんです!ティラミス様どうか頭を上げてくださいッ。」 「…へ?…違う、というのは?」 今度はマシュマロがびっくり顔から何かを思い出したように眉を下げ慌てて返してきた。……ん?違うって…何が?どゆこと?と思い疑問を投げた私にマシュマロが話してくれたのは… 私に怯えていたのではなく…挨拶の後、黙り込んだ私に自分が何か失礼な事をしたのではと不安になって下を向いてしまったのだと。 …つまり、私の目付きが怖くて怯えてた訳ではないと…?…良かったー!セーフだった!ほんと、やらかしたと思ったわ。答えを聞いて安堵している私に、マシュマロは申し訳なさそうに言葉を続ける。 「━私、あまり家から出た事がなくて、家族以外と接する機会がなかったので…他の方と話すのが得意ではなくて…ティラミス様、私の態度が誤解を招いてしまい、本当に申し訳ありませんでした。」 そう締めくくりマシュマロは頭を下げる。…いやいや、元はと言えば私が無言でガン見してたのが悪いのだからマシュマロが謝る必要はないのよ。礼を失する事をしてしまったのは紛れもなく私だ。謝らないでー。 私は暗い表情で小さな体を更に縮ませているマシュマロへ言葉を返す。
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