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「マシュマロ様、元はと言えば私が不躾な態度をとってしまったのが悪いのです。(おまけに唐突にお茶しようとか口走っちゃったし)…だから貴女が謝る必要はないのよ、どうかお顔をお上げになって。」
「…ティラミス様。」
悪いのは私でマシュマロには何の非もないと伝えたくて、出来る限りの優しい声と笑みで話す私に顔を上げたマシュマロは、ほっとしたように少し表情を和らげる。
あ、良かった。少しだけど固かった表情が緩んだわ。…そういえば、あまり家から出た事がないって言ってたわね。つまり箱入り娘で人見知りってやつかしら?それに人と話すのが苦手って言ってたけど…これといった違和感を感じる事もなく普通に話してるわ。…話し方も大丈夫だって伝えとこ。
「それと、マシュマロ様は人と話すのが得意ではないと仰ってたけど…普通に話せてるわよ?変だと感じるような所はなかったわ。安心して。」
「普通に……それなら、良かったです。」
私が話し方も問題ないよー、と言えばマシュマロは心弛び頬を上げた。暗かった顔から控えめではあるけれど笑顔になったマシュマロに、私はなんだか嬉しくなって言葉を続けた。
「えぇ。マシュマロ様は丁寧に話されてるわ。ろっ君なんてほぼ単語でしか話さなかったもの。」
「……?(ろっ君?)」
そう返した私の言葉にマシュマロはキョトンと首を傾げた。可愛いわー…って、あれ?何故にキョトン顔になる?
急に不思議そうな顔になったマシュマロに私も首を傾げていると、成り行きを見守っていた兄様が不意に口を開いた。
「…ティー、もしかして『ろっ君』って…ロクム様の事じゃないよね?」
「…? そうよ、ロクム様とは友達になったの。だから、ろっ君って呼ぶ事にしたの。」
少し引きつった笑みで言った兄様に私はキョトンとしたままで返す。…何ぞ?マシュマロもキョトンとしたままだし、ベリーはなんだか楽しそうに笑みを浮かべてるし、ロクムは半目の何とも言い難い顔してるし。なんなん?
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