私もあの子もこの子も

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何か問題でも?と、言いたげな私の様子に兄様は何故か頭を抱えるような仕草をしてため息をついて話しだす。…そして始まる兄妹喧嘩(口論)。 「…はぁ。ティー…言いたい事は沢山あるけど、とりあえず異性を軽々しく愛称で呼ぶなんて何考えてるのさ。」 「(何考えてるって)…兄様、何を言うの。異性と言えど友達ならあだ名で呼ぶくらい普通の事よ。」 「いや、ティーこそ何言ってるんだよ。貴族の令嬢が会ったばかりの異性を愛称で呼ぶなんてはしたないからね?前々から言ってるけどティーの普通は普通じゃないから。」 「えッ?何ではしたないなんて事になるの?確かにろっ君とは今日が初対面だけど…友達になったのに『様』付けなんて、壁があるみたいで嫌じゃない。それに、あだ名で呼んだ方が仲良くなれる気がするのよ。」 「壁って…友人として親睦を深めるのは良い事だけど、それとこれとは違うよ。同性ならまだしも…ちゃんと貴族の淑女としての慎みを持って…」 「あら?兄様にはあだ名で呼び合うような女友達は居られないの?そんな貴族だなんだなんてちっぽけな事を気にしていては、上辺だけの友しか出来ませんわ。」 「ティー、話をすり替えない。今は僕の事は関係ないだろ?」 「それなら兄様にだって私の友人関係をとやかく言われる筋合いはありませんわ。」 「僕が言ってるのは友人関係じゃなくて呼び方の事で…」 「互いに納得して呼び合っているのだからなんの問題もないと…」 「本当にティーは、ああ言えばこう言うね。少しは素直に聞き入れたらどうだい?」「兄様こそ細かい事を気にし過ぎですわ。もっと器を大きくされてはいかがですか?」 と、その会話を最後に、注意する兄と言い返す妹が睨み合うように互いに視線を交わしていると… 「━━ラスク様、ティラミス様。御二人とも、そろそろ落ち着いてくださいませ。」 淑女として振る舞いなさい、と嗜めてくる兄様に納得のいかない私が反論した事から発展した兄妹喧嘩を制止したのは、ベリーのそんな一言だった。
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