一章 幼なじみの特権

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それはさておき、一体私にどうして欲しいのか。 グランドに来たまでは良いが、マネージャーでもない私には居場所はなくグランドの周りをうろちょろするしかなかった。 時折、彼のことを見るといつもゴールを決めていた。なかなかやるじゃん。 少し見直した。しかし、それを彼に伝えると調子に乗るので黙っておく。 だんだんサッカーを見るのも飽きてきて赤く染まっていく空に視線を移す。 耳にはサッカーボールの蹴る音、掛け声、声援が忙しなく聞こえてくるが、目はただ静けさだけを写していた。 それがなんだか面白くて、つい見入ってしまう。友達に話したら笑われるかな? しかし声をかけられて私は不思議な世界から抜け出した。 私「んで?私に何の用?」 素っ気なく答えてしまう。あの不思議な世界から無理やり抜け出されたからかもしれない。 中村「え、いや、まぁ・・」 頭をごしごしする。緊張している証拠だ。 それが私に伝わっていることが分かったのか、今さらながら表面上冷静になった。 中村「伝えたいことがあって・・・」 その言葉を聞いて、今度は私の背中に冷や汗が流れた。
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