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彼に告白されたあの日はとても暑い真夏の昼頃でした。
私が日向に居たのと、木の影のおかげで彼の顔は隠れています。
でも彼が一歩を踏み出してしまえば、彼の顔がはっきり見えてしまうほど彼はぎりぎりの所まで来ていました。
私は今、どんな顔をしているだろう。自分で自分の表情が分からない。そっと手を触れても暑さのせいで全然感覚がありませんでした。
そんな事を考えていると彼が最悪の行動を起こしてきました。
彼が一歩を踏み出してこようとしてきたのです。
おもわず腰が引く。その怯えた様子を見て、彼は勢いをつけて飛び出してきました。
その時、私はすべての関係が崩れてしまう実感が体中に満ちました。
私はそれに耐えきれずに逃げ出しました。
何度も何度も拭いても、涙が私の視界を邪魔します。
足音で分かります。彼は私を追いかけてきています。
なんで?どうして?追いかけてこないでよ!
私はできると思ったのです。成り立つものだと高を括っていました。信じていました。
でも、女と男の間での友情は成り立たなかったのです。
嬉しさと悲しさに胸が締めつけられながら最後の力を振り絞って、空に向かって祈りました。
もとの関係に戻してください。
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