一章 幼なじみの特権

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授業が終わり、後は帰るのみとなった私だがもうひとつやらなきゃならないことがあった。 サッカー部の見学である。 入る気もさらさらない私がなぜ顔を出すのかというと、そう。すべては彼のせいである。 彼というか、バカ?アホ?うーん、単細胞? なんて呼べば分からないけど、まぁいいや。 私は早く帰りたいので、早歩きでグラウンドに向かう。 あぁ、こんなに暑いのによく外で出来るよな。 はっ。もしかしたらサッカー部、全員バカなのかもしれない。しかしなー・・ 私のくだらない自問自答は彼の声で終了することになった。 俊介 「おーい!」 練習中なのに、こちらに大きく手を広げ大きな声で言ってくる。 怒られちゃうのでは・・。 そう思った矢先、彼は監督に殴られていた。 なぜ、彼のところに行かなくてはいけないのには理由がある。 もちろん彼氏だからではない。(理沙は案の定、彼氏か?と聞いてきた) 俊介が帰りに必ずグランドに寄ってくれと真剣な眼差しで言われたからだ。 私はどうも真剣な目で言われると断れないみたいだ。
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