Room.1 -春の新たな隣人-

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 * 遠い昔の夢を見ていたような気がする。 白澤茉莉(しらさわまり)は、深い微睡(まどろ)みの中から目覚めた。 一人暮らしをしているマンションのすぐ側にある公道からは、アイドリング中のエンジン音が聞こえる。 強烈なエンジンの振動でカタカタと金具が(こす)れる音を聞くと、どうやら大型トラックが停まっているらしい。 ふと右手に触れたカーテンを開けると、眩しいほどの春の日差しが寝覚めの悪い茉莉へと降り注ぎ 寝ぼけた脳を爽やかに覚醒させた。 「んんーっ、いい天気…… 」 パジャマ姿のままベッドの上で両手を広げて伸びをすると、真新しい壁時計が視界に映る。
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