Room.5 -憤怒のあとの甘いとき-

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「……!」 隣の部屋を見ると、ぎょっとした顔で棒立ちしている茉莉と目があった。 次の瞬間、茉莉は慌てて部屋に逃げ帰ろうとし、俺は思わず駆け寄ると部屋のドアに足を挟み込んだ。 「なっ、なんなんですか!」 「先日のことをまだ詫びていなかった。すまない」 「もういいですって! 帰ってください」 「いや、そういうわけにはいかない。先日のは、完全に俺の失態だ。悪かった」 「……はぁ?! 失態?! 失態ってどういう意味よ!」 「えっ? あっ、それには語弊(ごへい)があってだな……熱にうなされてついというか……」 「知りません! もう帰ってってば!」 茉莉はガタガタとドアを閉めようとしていたが、動揺する俺の足が激痛に苦しむだけで一向に閉まらない。
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