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「……!」
隣の部屋を見ると、ぎょっとした顔で棒立ちしている茉莉と目があった。
次の瞬間、茉莉は慌てて部屋に逃げ帰ろうとし、俺は思わず駆け寄ると部屋のドアに足を挟み込んだ。
「なっ、なんなんですか!」
「先日のことをまだ詫びていなかった。すまない」
「もういいですって! 帰ってください」
「いや、そういうわけにはいかない。先日のは、完全に俺の失態だ。悪かった」
「……はぁ?! 失態?! 失態ってどういう意味よ!」
「えっ? あっ、それには語弊があってだな……熱にうなされてついというか……」
「知りません! もう帰ってってば!」
茉莉はガタガタとドアを閉めようとしていたが、動揺する俺の足が激痛に苦しむだけで一向に閉まらない。
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