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いや、ここで逃げられてしまうわけにはいかない。
彼女の許しを得なければ、このまま距離は開くばかりだろう。
だがなにを言っても彼女の機嫌を損なうばかりで、打開策は一つも見つけられない。
──こうなれば、どうにでもなってくれ。
俺は意を決し、玄関ドアに挟まりながら告げた。
「君が希望する場所、どこへでも連れて行こう! 海外だっていい! いや、もうこうなればなんでもするから……頼むから許してほしい!」
バカじゃないの!と、怒鳴られるのがオチだと俺の脳内でははっきりと見えていた。
が……。
次に返ってきた答えは予想外のものだった。
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