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「やだ私……今そんな変な顔してたかな……っていうか褒めてるの? 貶してるの?」
「褒めてるに決まっているだろう?」
茉莉は照れを隠すようにパタパタと顔を手で仰ぎ、悠人の向かいに座って両手を合わせた。
「もうっ、……いただきます」
「ん、いただきます」
先に焼いていた目玉焼きをトーストに乗せ、かじるとたちまち幸せが満ちあふれた。
そんな茉莉を悠人はどこか幸せそうに見つめている。
茉莉は嬉しさを共有するように、悠人を見つめながら笑って言った。
「トースト、美味しいね」
「あぁ」
満ち足りた時間がゆったりと流れていた。
何気ない日々の小さな幸せを噛みしめながら、茉莉はトーストをまた一口頬張った。
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