眠るティラミスに口付ける

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ティラミスは、甘いクリームの塊だと思っていたが、彼女の心遣いの塊なのだろう。 紅茶を入れた彼女は、眠たげにもう少し寝ると言って、寝室に戻っていった。 有り難く、入れたての紅茶とティラミスを頂きながら、わたしのベッドで眠る彼女を思った。 風呂に入っている間に、シンクにあった食器は、片付けられていた。 寝室にいけば、ぐっすりと眠る彼女。 健気な彼女の行動を思い出すと、思わず頬に口をよせていた。 彼女の頬はティラミスような甘さと香り、微睡みを誘う暖かさがあった。 わたしは、彼女の隣に潜り込み、すぐに彼女のいうところの安眠に入った。 彼女と彼女の気遣い。そしてこれも彼女の賜物せいだが、妙に愛着が湧いたベッドのおかげで、明日はいつもより疲れが取れているに違いない。 ~眠~
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