眠るティラミスに口付ける

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それからというもの、使えれば形に拘らないわたしは、彼女の好きなようにさせていた。 わたしの部屋に少しずつ、彼女の好みの家具が増えていく。 彼女がわたしの部屋にいる時間も、徐々に増えていった。 仕事で遅く帰ると必ず、見た目も洒落た洋風の食事が用意されていた。 ご丁寧にデザートも付けられていて、いつもティラミスだ。 食事の内容がどんなに変わろうとデザートは、いつだってティラミス。 これには、彼女の好物だからだろうか? と首をかしげる他ない。 彼女に理由を聞こうと思っているのだが、忘れてしまっている。 明日の朝は、必ず理由を聞こう。
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