3人が本棚に入れています
本棚に追加
食事とともに、待ちくたびれて眠ってしまった彼女も必ずいた。
彼女が選んだ粋なソファで寝ている。
眠る彼女を起こさぬように、姫抱きにして寝室のベッドへと移動させる。
寝室の家具も、ほとんどが彼女好みの家具へと変わっている。
その中でベッドだけは、いまだにわたしが長年使っている物だ。
もちろん、布団やシーツも。
部屋全体をよく見ると安物のベッドだけが、異色を放っている。
センスの良い彼女の家具選びのかいあってか、一見、上手く調和しているように見える。
だが、確実にベッドだけが異物だ。
まるで、わたしと彼女の関係のようだ。
年が十も離れていて、好みも彼女は洋風、わたしは和風と正反対だ。
それでも、恋人という形がなりたっているなんて、この部屋のようにチグハグだ。
最初のコメントを投稿しよう!