眠るティラミスに口付ける

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台所……ではなく、キッチンダイニングで彼女の作った食事を食べた。 物音を立てた覚えもないのだが、気配を感じたのか彼女が起きてきた。 ただいまの挨拶もそこそこに、彼女は律儀に紅茶を入れだした。 わたしは、彼女の行動でティラミスがあることを思い出す。 そして、疑問だったことを聞いたのだ。 「ティラミスには、私を元気付けてって意味があるの」 彼女の話では、ティラミスは元気が出るほどおいしいケーキと名付けられたという。 「残業で疲れた身体を少しでも癒したいの」 と彼女は言う。
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