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バスケットが好きだったオレは、 バスケが強い強豪校に入るため、 家から少し離れた高校に通った バスケ部に入ったオレは 5月になると、他の部員同様、ポジションが言い渡された ポジションはパワーフォワード フォワードの名の通り一番シュートチャンスがあるゲームの花形だが 中学までポイントガードだったオレには意外だった 初めはシュートが決まる確率が増えることに自信も楽しさも増していったが シュートの精度は一定のところで伸び悩んだ 何百回と練習したにも関わらずシュートの成功確率が上がらない そんなとき、 オレは監督からセンターへのポジション変更が言い渡され 一から練習し直すために、せっかく掴んだレギュラーの座から外された さらに数ヵ月後、 オレは再度、ポジションを変えられる センターからシューティングガードに センターとしてレギュラーになっていたオレはまたもレギュラーの座から外された 「何も評価してくれない」 「何もわかっていない」 正直、このときは監督を恨んだ レギュラーを掴むたびにポジションごと変えられるなら いっそ、バスケをやめてしまおうかとも考えた だが、二年になり 妹の同級生の遥ちゃんが同じ高校に入学した おそらく妹からオレがバスケットボールをしているのを聞いて 知り合いがいるということでマネージャーにまでなってくれたのだろう ここで辞めるわけにはいかない オレは退部願を破り捨て、シューティングガードとしてレギュラーになった 二年になっての初めての試合のとき、 監督が突然倒れた 心臓の病気だったらしい 監督のノートにはオレのことが書いていた オレの性格が飽きっぽいこと まだまだ成長段階ながら、オールラウンダーになれる才能があること 監督には時間がないために短期間でそれぞれの才能を伸ばす必要があったこと オレはインターハイで優勝をきめると、 監督にその報告に向かった 監督からの声が帰ってくることはなかったが、 オレはそこで静かにバスケを続けることを誓った
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