記憶

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「そんなことは百も承知だ。俺をどこに監禁してやがる。相模の国か。小田原領を出たのか、それとも」 「無駄よ。私はあなたの改造施術を手掛けた、言わばあなたの創造主、親であり神……そして恋人。あなたには殺せないわ。同時に私から逃れられない」尊大な態度で光る刃を見据えた。 「大規模なサイボーグ化を施した兵のほとんど……いえ、あなた以外の全ての兵が脳に障害を負ったわ。特に強化型バイオメタルを移植した検体の凶暴化は避けられなかった。だから……」  顎で部屋の外を指した。破れた襖に鬼の影が揺れた。 「だからこいつらには心が無いのか? 思い通りに操るために傀儡に仕立てたって訳だ」  突然、鬼の影が真横に倒れた。と、同時に襖が開き、さらに巨大な青鬼が姿を現した。咲夜を肩に載せて。
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