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「咲夜! よくここが分かったな」
「金太郎にわらわの依り代を着けておいたのじゃ」
「GPSのような物だな」
金太郎がにやりと笑った。
「だから、おぬしの使う言葉は、わらわにはわからぬ。依り代はわらわの身代わりじゃ」
金太郎の衿から、人型に切った紙がはらりと落ちた。
「ふ、そんな非科学的なもの」
女が鼻で嗤った。
「あんたがどれほどの術を使うのかは知らぬ。だが、あんたが放ったこの青鬼も、わらわの呪符で蘇ったのじゃ。今はわらわの式神であるぞ!」
言うや、咲夜が鬼の肩から飛び降り、鉄扇で女の方を指すと、青鬼が鴨居をぶち抜き、大股で女に迫った。
「くっ」
女が踵を返し、御堂の奥へと逃げた。その後を青鬼が、障害物となりえる全てを破壊しながら追う。
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