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いつの間にか、金太郎の腕が刀へと変化していた。
「電脳埋め込みの副作用を抑えるためにね、彼ら兵士型サイボーグの脳には、コントロール装置が埋め込まれているの。もちろん、ハイドにもね」
白鬼が口角を上げると、手の中のカードを金太郎に向けて叫んだ。
「ハイド! その女を殺しなさい!」
金太郎の刀が咲夜を真っ二つに割いた。――が、半分に割かれたのは咲夜の式神である青鬼だった。
咲夜は彼女を庇った青鬼の上に浮いていた。口の中で何かを念じながら。
彼女の足元には五芒星を描くラインが鬼火の様に燃えていた。その五角形の中央に立つ彼女の背には、深紅のオーラが焔の如く立ち昇っている。
おもむろに懐から赤い札と小筆を取り出すと、筆の先を舐め、札に何かをしたためた。
「わらわは東雲咲夜。木花之佐久夜耶姫を守護神に持つ」
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