第1章 明晰夢ってこんな感じかな?

8/13
前へ
/26ページ
次へ
「一条豊って、たぶん私のお父さんだ。」 「え、えーーーーーーーーーーー!?あの一条豊の子供なの。すげぇー!」  まさかお父さんがそんなにすごい人だったとは。少なくとも虫雄君の中では神格化されているようだ。 「豊さん、今どこにいるの?もしかしてこの村にいるのか?」 「いやー、それが私にも全く分かんないんだよね。」  そう、私は父さんと母さんが何者なのかよく知らないのだ。一緒に住んでいたのに、不思議なくらい何も知らない。      ポン。閃いた!  何で今までこうしなかったんだろう。おじいちゃんに全部聞けばいいじゃん!この世界のこと、両親のこと。こうなると居ても立っても居られなくなる。学校が終わるまでなんて待ってられない。 「虫雄君、私早退するから、先生に体調不良って言っといて。」 「ははっ、さては虫を捕りに行くんだな。面白そうだから俺も付いていくぜ!」 「いや、虫は捕らないよ。」 「独り占めはよくないぜ。」 私と虫雄君は駆け足で教室を出た。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加