1.下宿生活0日目

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 ──フゴー、ニャー、フー、ウギャー…  10分もせずに遠くから聞こえてくる。  窓を開ける、「どっかいけ」──音も立てずどこかに行った。  窓を閉める。  ふぎゃぎゃぎゃ、なー、フゴー、ウギャー、ニャー…。またも窓の下で鳴き声が響く。  窓を開ける──さっきのとは違う猫だ。 「うっせー」叫ぶ──音も立てずどこか行く。  フゴー、ニャー、フー、ウギャー…今度は廊下から聞こえる。ドアを勢いよく開ける──廊下の電灯が、音も立てず逃げていく二匹を照らしていた。  その後、10回くらいだったろうか──猫との格闘の末、急に辺りが静かになった──ああ、ようやく眠れる。  月明かりの中、毛布にくるまって畳の感触を全身で感じながら、目を閉じる。  と、ギシギシギシ…ギシギシギシ…廊下から軋む音がする。  また来やがった。怒りも頂点に達し、ドアを開ける──が、猫の姿はない。逃げたか──ドアを閉めて再び畳に横になる。  と、ギシギシギシ…ギシギシギシ…廊下から軋む音がする。今度は近づいてくる、部屋に向かって来ている。  あーいい加減にしてくれ!  ドアを開けると猫はいない。
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