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──高校を卒業して、大学に行こうと思っていたらどこも入れてくれなかった。
しょうがないから同じ学校とはいえ予備と名のつく学校に行くことになった。
一年間の踏ん張りで、なんとか下の下だった学力を、上の下くらいまで伸ばした。(自分で言うのもなんだが、すげぇ、センター試験:その頃は共通一次試験:500点アップくらい)
でも、希望していた上の中の学校は入れてくれなかったので、唯一合格した中の下の下、下の中──なんのこっちゃ、くらいの学校に行くことになった。
──はっきり言って滑り止めだ。
北海道で浪人していたから、徒歩でテクテクテクテク…バスでぶろぶろろー…電車でガタンゴトン…飛行機でビューン…電車でガタンゴトン…バスでぶろぶろろー…入学式の前々日に、相当朝早く実家を出たものの、神奈川県の某大学のそばにある下宿近くのバス停にたどり着いた時には真っ暗だった。
住所と、電話で教えてもらった簡単な行き方のメモと、コピーした地図しか持っていなかったので、テクテク歩くこと数分。
(スマホのマップなんてない、電話は固定電話だけさ、その頃は──自慢にならないっちゅーの)
それでも、神奈川県と聞き北海道の森ばかりの実家周辺よりは都会だろうと、『ムフムフな学生生活ザ・一人暮らし』を期待していた。
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