1.下宿生活0日目

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 ──どうも、建物外回りのトタンは中の壁が痛んで、ぐるりと囲むように取り付けられたようだ、月明かりで見るとそれも痛みきっている。  ドアなんてとうの昔に崩れおち、中央の玄関と廊下がむき出しの建てつけは年代を感じさせる。外階段で上がる二階もみたところ同じようだ。  廊下を挟んで右に3部屋左に3部屋、二階も同じ作りになっているらしく合計12部屋。窓からは一切光が漏れていない。  ──とにかくひっそり、佇んでいるのだ。  私は恐る恐る一階の、玄関らしき部分に向かう。  真っ暗だ誰もいない。  廊下に電灯はあるが、つけていない。 「今日は…誰かいますか?」──大声で叫んでみる。そして玄関らしき場所に入る。  と、足元でグニャ、変な感触。 「うわぁ」 「フゴー!」──ダダダ…なんだなんだ!  にゃおおおおー猫だ──シッポを踏んだのだ。一匹外に出て行った。玄関らしき場所に置いてある山のように並べられた靴が弾け飛ぶ!  「ヒェッ」と、奥から何かくる。目を光らせ、ダダダ…一匹じゃない、ダダダ…何匹いるんだ?…ダダダ…こっちに向かって突っ込んでくる…ぎゃー猫の集団だ。  ビュンビュンビュン…フゴー、ニャー、フガガ…次から次へと外へ出て行く。
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