第1章  幸せな時間

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第1章  幸せな時間

僕は、猫です。 ペットショップから、今のこの家にやってきました。 本当のママは、顔も覚えていないけど、人間のママと凄く幸せに暮らしている。 パパは、人間のパパのことだが、三年前に亡くなった。 その時にも、ママは僕と一緒だった。 膝の上に乗って、パパの思い出を話し、寂しさを分け合った。 何時でも一緒で、僕は話すことはできないけれど、ママの言っていることは少しづつ分かるようになっている。 いつも僕の頭をなでてくれて、優しく話をしてくれる。 大好きな人と一緒にいることは、なんて幸せだろうと思う。 そんなある日、ママの本当の子供、僕のお姉ちゃんから電話があった。 この家から、離れたところにお嫁に行ったお姉ちゃん。 ママは、楽しそうに話しをしていた。 ママが楽しそうにしているのは、僕もとっても嬉しい。 なんでもお姉ちゃんに、赤ちゃんが産まれるらしい。 ママは、凄く喜んで僕に話しをしてくれた。 僕も嬉しい、赤ちゃんのお世話は、何を言ってすればいいのかと、真剣に考えた。 それから数日は、僕とママとの会話が赤ちゃんの話ばかりだった。 一生懸命、まだ見たことのない赤ちゃんの事を考えて、早くその日が来ないかと、楽しみで仕方なかった。
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