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なんとなくそのまま連絡を取れずに日常が始まってしまって、彼女とのことすべてには、整理が追いついていない。
ある日、仕事から帰ると、さびた郵便受けに結婚式の招待状が来ていた。
それであいつの今の住所と名字を知った。
今さらすぎる。
うん、これは全然勝ち目がないな俺。無理無理。
名字は相手に合わせるらしい。
連絡先を一つずつ変更して、招待状を眺めて、カレンダーを見遣って。
行こうかな、と思った。
……この恋はまだほんの少しだけ覚めていない。
俺があいつを諦めきれていない。
性懲りもなくいまだに若干燻っているのは、自分が一番よく分かっている。
でも、だけど。
俺は幼なじみを大切にしたい。何より、幸せになってほしい。
俺とあいつは幼なじみだ。それで充分だろう。
──この、最後まで上手く形にならなかった恋は、それでもちゃんと終わらせなければいけない恋なのだ。
行こう、と思った。
ボールペンを握る。
……行こう。行って、お幸せにって祝って来よう。
大丈夫だ。
幸せそうな笑顔を、見たら。
あいつが選んだ相手の隣で、嬉しそうに笑っているのを見たなら、きっと。
俺は、この長い恋の終わりを見つけられるだろう。
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