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妻と電話が繋がると、俺は小さな怪獣たちが泣きやまないと助けを求めた。
妻は笑って、翔汰に変わって欲しいと言った。
言われた通り翔汰にスマホを渡すと、何やら妻から何か言われているようで翔汰は頷いている。
すっかり翔汰は泣きやんでいた。
「うん、わかった」
そう言って、翔汰が泣いている渉を呼ぶと、耳元にスマホをかざした。
途端に渉も泣きやんだ。
さっきの騒がしさが嘘のように、翔汰はパンを三枚取ってトースターに入れ、渉は大人しく自分の椅子に座った。
妻は「困ったらいつでも電話して」と言ったが、「それじゃ、せっかくの女子会も楽しめないだろ。もうかけないから、楽しんで来いよ」と返し電話を切った。
切った後、ほんの少し後悔する自分がいた。
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