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若い頃は、よく守銭奴や悪徳商人を騙したり、屋敷に忍び込んで小判を稼いでいたが、
100歳も過ぎる頃には人に化けるのがうまくなった。
江戸の不忍池の近くで、茶店を開いていたこともあったな。
旅人やお侍も狐火を使って入れたお茶を飲むと、身体が癒えて疲れがとれたようだし、
特製のきつねうどんに舌鼓を売っていたっけ・・・
いつもうどんを食べに来てくれるお侍さんが、磔されそうになって、助けたこともあった・・・
その後、全国を行脚して「仁義八行の珠玉」を集め、数珠を作り魔力を高めた。
いつだったか、1000年以上前に京都に白狐の嫁と伴だって旅行に行ったときのことである。
いくつもある朱色の門を通って行くと向こうから巫女が来たため、慌てて石に変幻した。
巫女は何を思ったのか、大層有り難がって神社に祀られてしまった。居心地が良かったのでそのままそこで暮らすことにした。
たまに抜け出して、家内と一緒に外国旅行も楽しんでるが、そのときは子狐に私の代わりを勤めてもらう。
お稲荷さんを食べながら、お参りに来た人のお願い事を聞いてあげるんだが、まぁ大抵は、お金に関する碌でもない自己中なお願いが多かった。
でも、気持ちのいいお願いをされると助言を与えてあげた。すごくびっくりしてたが、とても感謝された。
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