2 誕生

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2 誕生 出産は順調で、安産だったと言えるだろう。 生まれてから、産声も上げず暫く放心していたら、母が泣くように驚いて 「声を出して泣いて、私の赤ちゃん」と言ってきた。 ・・・オギャー ・・・ ではなく、・・・「ウ、ウ、ウヮ・・・  「ウ、生まれて、飛び出て、ジャジャジャジャ~ン」・・・・・・と言ってしまった! 仕舞った。と思ったが、 母は、ギャハハハ・・・と泣きながら笑っていた。 まぁこちらの世界では、前世の記憶をもって生まれてくるので、生まれてすぐ話せるんだそうだ。 普通は「おはよう」とか「こんにちは」らしいが・・・ 私は、鍛冶師の家に生まれた。 名は? と父から聞かれたので、「前世では「ショウ」という名だったらしいです。」と答えると 氏姓は「立花」だったので 「立花 翔」という名前を授かった。 父は刀剣鍛冶師である。名前は「立花 正宗」 母は「立花 櫻」いかにも日本的な名前である。 正宗は、日本でも屈指の刀工で、妖刀を作ることを得意としている。 私は生まれてまもなく、刀剣の作り方を勉強することになる。 刀を作るようになるには、まず身体を鍛えねばならないが、生まれてすぐの赤子には無理なため、 読み書き、刀剣という感じで、おっぱいを飲みながら母に教わった。
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