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第0章 天界
0.天界の入り口
茜色に染まった雲海に、金烏玉兎、低い太陽と金色の月。
・・・そこは天界。
今日亡くなった人だろうか、5000人位の人間と動物がいた。
驚いたことに、猫や犬などの動物も雑多な人の言葉を発している。
喧騒渦巻く中、頭の中に響いた声があり、それぞれ誘導させられている。
「ショウくん、あなたはK組に並んでください」
・・・私の名は「ショウ」という。苗字はなぜか記憶にない。・・・ショウという漢字もわからない。
周りの人や猫にも聞いてみたが、苗字は思い出せないらしい
・・・良かった(ボケたわけではなかったらしい。猫に苗字があるのかは微妙だが。)
周りを見てみると、皆、妙に若い。20歳くらいだろうか。
自分はどうなんだろうと、手や身体を見てみると20代の頃の皮膚、体型なのに気がついた。
たぶん顔も若返ったんだと思う。
私は言われるままに、K組と表示されている空中に浮かぶ文字のところに並んだ。
K組は、みんなきれいに整列しているが、R~V組あたりはただ集まって寝転がっているのが多い。
たぶん集まりもしないのは、W~Z組なのだろう。棒のようなもので突かれて、集められていく。
皆、気づいただろうが、クラスはA~Zまで26組あり、
Aの方が上位クラスらしく、A~E組までは、椅子が用意されており、その他は立って並んでいる。
A組は特別クラスみたいだ。10人くらいしかいなかった。
皆がだいたい整列したところで、空中に浮かぶ矢印模様の方向に行くように誘導される。
移動していると、「ゲコッ」と声がした。
なんと、カエルを踏んでしまったようである。
「気を付けてケロ」とカエルに注意され、
慌てて謝まる。「申し訳ないでごわす」
なぜか、鹿児島弁になってしまった・・・だがしかし、九州出身ではない。
カエルは、軽く会釈しB組の方に向かっていった。
へェ~あのカエル、見かけによらず偉いんだなぁと思いつつ、「きっと殿様カエルに違いない」と心に刻んだ。
しばらく歩いた先には、500人ほどが入れる階段状の教室があった。
「まるで大学の講義室みたいだな」なんて思っていると、教師風のメガネをかけた天使がやってきた。
なぜ、天使かって?・・・背中に白い羽と輝々とした輪を頭の上に浮かべている。
・・・見るからに天使である。
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