街角の二人は

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俺と彼女は、今日の夜出会ったすぐに会話も盛り上がり、ホテルに向かった、すると彼女が 「えっ!! ダメだよ、お泊まりするんでしょ?」 俺は嘘を吐いた 「行かないよ」 踵を返して、レストランへ彼女の手を引っ張ると、彼女もレストランなら満更でもないようだ、洒落た店内に入り、腰を落ち着ける。二人でメニューを見ると、彼女は決まったようで 「オムライスとプリンを」 とウェイトレスに注文してるとき、お前はお子さまか!! と、突っ込みたくなるのを我慢した、ホテルでお泊まり無かったのは俺にとって悲しい嘘だ 「はい、かしこまりました」 「和牛ステーキセットを」 「はい、かしこまりました」 二人で他愛ない会話が行われて居ると、気が合わずむずむずしてきた、もう帰りたいだがメニューは来ず、一夜限りのつもりだ ウェイトレスの持って来た物は、何かを勘違いしたのか良くわからんが、オムライスとプリンが2つ、運ばれた、おい、ちょっと待て、食いたいのはあいつだろうが!! 冷や水をウェイトレスに掛けたくなる気持ちをこらえ 「注文通りでしょうか?」 彼女の声を止める様に 「はい、合ってます」 「いいの?」 「良いんだ、オムライスだって食べられる」 お子様みたいな頭に構って居るとろくな事がない、またもや俺にとって悲しい嘘が出てしまった、ケチャップ嫌いの俺がオムライスを食べると、えもいわれぬ不味さで必死に耐えて、甘ったるいケチャップを食べ終えて精算すると、しっかり和牛ステーキセットの代金が取られてる、本当は間違ってますよ、と言うのが正しいんだが、そのまま高級料金を支払う、俺はホテルに行かず帰るだけだった、一夜は終わりだな 「ねぇ、ホテル行きたい、ふかふかのベッドでしょ?」 「行かない」 俺は行きたいのを我慢した、これは悲しい嘘
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