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「…こうして、彼の幻の街への憧れは、今も転覆した船とともに海底に眠っている。…なんだか悲しいお話だったわね。でもとっても面白いわ!」
「私たちもあと40歳若ければ今すぐにでも飛行船を作って冒険へ出ていただろうね。」
「ねえチャーリー、あの空に浮かぶ島のお話はどこだったかしら?」
「おやまあ、もう何十年も読み続けてきたあの本がどこにあるのか忘れちゃったのかい?いつものように花瓶の横に置いてあるよ。」
「あら、そうだったわね…どうして私、こんな大切なこと忘れちゃったのかしら」
「この前もそうだったよ」
「ああ、これよ!この絵本は何度見てもわくわくするのよね」
ポリーはボロボロになった茶色い表紙の本を手に取った。
“雲の上に浮かぶ虹の島 サヤ島”
「…やっぱり私、絶対にこの島は存在すると思っているわ」
「ああ、わたしも全くそう思うよ。私達が試作品として作った無人の飛行船のカメラに一瞬だけ写った…あれはまさしくサヤ島だった…」
「もういちど、作りたいものですね」
「そうだなあ」
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