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昨日面接で来た時のシンプルで落ち着いた
雰囲気の管理室が、一部赤ちゃん用のスペースが
出来ていたからだ。
ベビーベッドにおもちゃや歩行器など
可愛らしいぬいぐるみまであった。
えっ?もしかして奏太のために!!?
驚いていると田中さんが入ってきた。
「おはよう……岡野さん。
早いね?これからよろしくお願いします」
「あ、おはようございます!!
こちらこそ。今日からよろしくお願い致します」
慌てて私は、頭を下げた。
「あーいいよ、いいよ。
気楽な気分で過ごしてくれたら」
アハハッと笑う田中さん。
本当にいいのかしら。
「それより、この部屋を気に入ってくれたかな?
家の倉庫に息子が赤ちゃんの頃に使っていた物が
あるのを思い出してね。出してみたんだ。
良かったら使ってくれると嬉しい」
「えぇっ!?
そんな貴重な物を頂いてもいいんですか?」
息子さんとの思い出があるのに……。
するとクスクスと笑いながら
「遠慮しなくてもいいですよ。
だからこそ、使って頂けると嬉しいです。
思い出を受け継いでくれた方が嬉しいですからね」
田中さんは、そう言って話してくれた。
そういうものなのだろうか?
申し訳ない気もするけど
あると、とても助かるわ。
甘えて使わせてもらうことにした。
「ありがとうございます。
大切に使わしてもらいます」
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