夜桜

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「…へ?」 端正な顔立ちの男の人。 私の、家の前にいる。 「遅かったですね」 「え、と人違いではないかと…」 「三木柚那さんですよね。早く家入れてください」 「いや、不審者っ…!」 警察に通報しなきゃ 「ムダですよ。俺あなた以外に見えないから」 「なっ、何ふざけたこと言ってるんですか!」 こんな人、家に上げるわけがない。 「だーかーら、俺は死神。まあ、死神っていうか、守護霊っていうか、まあいろいろあるけど」 「死神だか守護霊だかは知らないけど、信じるわけないじゃないですか!」 「ねぇ、俺に触ってみて。」 「…死神に触れるの?」 「柚那さんだけならね」 馬鹿げたこの人は、 「つめた…」 「でしょ。死神には血が巡ってないから。 てことでよろしく」 何となく、否定できなくて。 「ははっ、否定できないのか」 「んな、なんでそれを」 「死神は心の声が聞こえるんです」 「…こわ」 家に入れることにした。
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