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残業は相変わらず。
だけど、家に帰ったらミライがいる。
そう思うと、前よりはるかに仕事がはかどった。
ミスだって減った。
怒られることも、減った。
ミライって、不思議。
一緒にいたくなる存在。
私は、ミライのことが好きなのかもしれない。
「ついたね」
「すごいな。俺こうやって見てみたかった」
「私も、こんな風に見るのは久しぶり」
この会話は小声気味で。
「ねぇ、柚那」
ふいに呼ばれた名前に、少しドキッとした。
「な、なに」
「俺、こういう立場だから許されないけど、柚那が好き。」
「…はっ?」
どストレートな告白に、頭がついていかない
「恋人らしいことはしなくていい。だけど、好きになってほしい。ワガママだけど」
「…」
〈嬉しい。〉
そう、思った。
「ふ、嬉しいんだ。」
「うん。嬉しい」
「じゃあ、いいの?」
うん、そうだね。
「いいよ。」
向日葵畑を目の前にして
私たちは恋人同士となった。
世界で一番寂しい恋人同士に。
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