第2章 つづらの森

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もしかしたら、あそこにいるかもしれないのぉ。 ぽんぽん」 「あそこ?」 理人と輝が首をかしげる。 「大切にされた者たちが付喪神に転生する大神様のところだ。ぽん」 「ねぇ、その大神様のとこって、どうしたらいけるの?」 「俺たち、どうしてもあの時計をみつけたいんだっ」 楽器たちは肩を寄せ合ってしばらくひそひそと話していたが、やがて二人へ視線をむけた。 「大神様は、どこにでもおるわい。 ぴーひゃらら」 「そして、どこにもいない・・・。 てーんしゃん」 そう言い残し、楽器たちはすぅ~と森に吹いた風に乗ってどこへともなくきえていった。 「楽しかったぞ。 人の子よ。 ありがとう~。 ぽん、ぽん」 理人と輝は、次第に小さくなっていく楽器たちをポカンと口を開けてみていた。 「いっちゃった・・・・」 「結局・・・、いるのか? いないのか?」 「う~ん・・・・・」 ふたりは腕を組んで考えた。 「とりあえず、あの楽器の神様たちが消えた方向に行ってみようぜ」 「あ、それいいね。 さすが、輝くんだねっ」 ふたりは笑顔で、力強く楽器の付喪神が消えた方の森の中へと入っていった。
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